ぼくはバナナを食べている。
そういえばバナナにはラベルが付いていたんだな。
普段なら見向きもせず皮と一緒に捨ててしまうバナナのラベル。
なんの気なしにそのラベルをじ〜と眺めてみる。
するとどうだろう、
ぼの目の前をさまざまなイメージが駆けめぐる。
肌をじりじり焦がす灼熱の太陽。煌めく波の音。甘い風の匂い。
ひたすらだだっ広いプランテーション。
そこで汗水垂らして働く混血の労働者…。
たった3cmちょいのデザインから
無限に広がる勝手な南国の風景。
そんな思いを馳せつつ食べたこの日のバナナ、
不思議といつもより甘い気がした。
うーむ、どうやらあのバナナのラベルは
まだ見ぬ南国への小さな小さな入口のようだ。
そこはエキゾでサウス・パシフィックなムードが
ギュッと凝縮された
ムード音楽のような豊潤な世界。
ぼくもそんなバナナのラベルをつくってみたい。
見てくれた人がステキな風景を喚起させる
そんなイカしたラベルをつくってみたい。
それからというもの出るわ出るわ
架空のバナナたち。
バナナに留まらず様々なフルーツも生まれて、
まさに豊作。
ここにあるのはそんな架空のフルーツ・ラベルたち。
わしが考案したフルーツ・ラベルのコレクションです。
まだ見ぬ異国の情景があなたの前に
広がってくれたらうれしいです。 |